登場人物

雨の止まない世界で、誰かが歩き出すのを待っている。

Umbrella Paradeは、完璧な者達の物語ではありません。

欠けた者。

失った者。

隠している者。

それでも、まだ歩こうとしている者達の物語です。

目次

ヴェル13世

雨を晴らせないまま、パレードを始める者。

ヴェル13世は、人間界で育った、神と悪魔の血を引く青年です。
けれど、その血は祝福ではありませんでした。
神にも、悪魔にも、人間にもなりきれない存在として、彼は自分が何者なのかを見つけられずにいました。

この世界では、誰もが少しだけ雨を晴らす力を持っています。

けれど、ヴェル13世にはその力がありません。
自分の足元の雨すら、晴らせません。

それでも彼は、パレードマスターを目指します。
夢に敗れた者達を、もう一度歩かせるために。
そして、自分がまだ終わっていないことを証明するために。

パレードマスター試験で、彼は雨を晴らせずに不合格になります。

本来なら、そこで終わりでした。

けれど、ヴェル13世はパレードを止めませんでした。

「オレは、パレードを止めない!」

雨が降るなら、傘を差せばいい。
晴れないなら、晴れないまま歩けばいい。
誰かがまだ歩けるなら、パレードは終わらない。

そうして始まった前例のないグランドパレード。

それが、Umbrella Paradeです。

ヴェル13世は、雨を晴らせないまま人を歩かせる、史上初のパレードマスターになります。

彼の本当の力は、雨を消すことではありません。
雨の中でも歩けると思わせることです。

ヴェル13世の言葉

「オレは、パレードを止めない!」

「オレ一人じゃ晴らせない。
だから、雨の中でも、みんなで虹を掛ける。」

カーラ・マンソン

完成された声で、雨を晴らす者。

カーラ・マンソンは、圧倒的な歌唱力を持つ存在です。

彼女が歌えば、雨は止みます。
雲は割れ、会場全体に光が差します。

多くの人が、彼女こそ正統なパレードマスターにふさわしいと考えています。

彼女は、ヴェル13世とは対照的な存在です。

ヴェルが雨を晴らせない者なら、カーラ・マンソンは雨を晴らせる者です。
ヴェルが不完全な声で歩かせる者なら、カーラは完成された声で魅了する者です。

けれど、その完成の奥には、まだ語られていない過去があります。

カーラ・マンソンには、かつて別の名前がありました。

「花」。

彼女はその名前を捨て、カーラ・マンソンになりました。

過去の自分と決別するために。
弱かった自分を置いていくために。

でも、完全には捨てきれていません。

完成された声の奥には、まだ濡れたままの記憶が残っています。

カーラは、ヴェル13世を時に突き放します。
その未熟さも、嫉妬も、自己証明のために歌っていることも見抜いています。

けれど、雨を晴らせないまま人を歩かせようとするヴェルの姿に、彼女の中の何かが少しずつ揺れ始めます。

彼女は本当に完成された存在なのか。
それとも、完成という鎧をまとっているだけなのか。

その答えは、まだ雨の中にあります。

カーラ・マンソンの言葉

「花という名前は、もう呼ばないで。
あの名前で振り返ったら、また戻ってしまうから。」

「あなたはパレードマスターになりたいんじゃない。
誰かに、まだ終わっていないと言ってほしいだけでしょう。」

カーラ・マンソン公式サイト

カーラ・マンソン公式サイト

アマモリ

雨の中に残った声を記録する、レインエルフ。

アマモリは、Umbrella Paradeの記録者です。
漢字で書くと、雨守。

雨漏りのように、ぽつりぽつりと漏れ出てくる物語や感情を、こぼさず拾い集める者です。

アマモリは、レインエルフです。
レインエルフは、雨の中に残った声を聞く種族です。

雨を晴らす力はありません。
その代わり、雨に溶けた記憶、後悔、言えなかった言葉を感じ取ることができます。

アマモリにとって、雨を晴らせないことは特別な欠落ではありません。
レインエルフとは、そういう存在だからです。

それでも、晴れを呼ぶ者達に憧れていなかったわけではありません。

誰かの歌で空が晴れる瞬間。
人々が傘を閉じて空を見上げる瞬間。
その景色を、遠くから見ていた時間がありました。

そんなアマモリが出会ったのが、ヴェル13世です。

ヴェルもまた、雨を晴らせません。
けれど、ヴェルは晴らせないことを受け入れて終わりにしませんでした。
笑われても、不合格になっても、雨の中でパレードを始めました。

その姿を見て、アマモリは記録を始めます。
ただの観察者としてではありません。
最初にヴェル13世のパレードに歩かされた者として。

アマモリは、ヴェル13世とカーラ・マンソンの間に落ちている言葉を拾います。

沈黙。
嫉妬。
未練。
言えなかった本音。
まだ物語になる前の、濡れたままの記憶。

それらを記録することが、アマモリの役割です。

アマモリの言葉

「ぼくは、雨を晴らせない。
でも、雨の中で消えそうになっている声なら、聞こえる。」

「ヴェル13世は、雨を晴らせなかった。
なのに、誰よりも先に歩き出した。」

「だからぼくは、記録しようと思った。
晴れなかった日の、最初のパレードを。」

三人の関係

ヴェル13世は、欠落と意志の人です。
雨を晴らせないまま、夢に敗れた者達を歩かせようとします。

カーラ・マンソンは、完成と才能の人です。
雨を晴らす声を持ちながら、その奥に捨てきれない過去を隠しています。

アマモリは、記録と共感の人です。
雨を晴らせない代わりに、雨の中に残った声を聞き取ります。

三人は、それぞれ違う形で雨を抱えています。

ヴェルは、雨を呪っています。
カーラは、雨を隠しています。
アマモリは、雨を聞いています。

そして、Umbrella Paradeは、この三人の雨が重なったところから始まります。

これからの記録

彼らの物語は、まだ始まったばかりです。

ヴェル13世は、なぜ晴れを奪われたのか。
カーラ・マンソンは、なぜ「花」という名前を捨てたのか。
アマモリは、なぜこの物語を記録せずにいられないのか。

雨はまだ止みません。
でも、パレードは始まっています。

記録室へ

Umbrella Parade 記録室では、ヴェル13世、カーラ・マンソン、アマモリの物語を、アマモリの記録としてお届けしています。

完成した作品だけではなく、歌詞の断片、未公開の会話、制作の裏側、言えなかった本音。

まだ形になる前の、濡れたままの記憶を受け取れます。

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